コロナになる、ギリギリ前 2020 2月クランクアップ。 横山監督、脚本の愚か者ブルースの衣装、ヘアメイクで入らせていただきました。
東京からスタイリスト高倉絵織里ちゃん、 広島のフリーのヘアメイク、着付け、渋谷友美ちゃん、升永志帆ちゃん、藤田瑠璃ちゃん、河本里奈ちゃん、坂本亜紀子ちゃん、ケータリングで一日、オリジナルカレーを出してくれた小田周子ちゃん、
主の着物の協力をいただいた梅田雅子さん、大下良重さん
以上 Team Mizueとして応援していただきました。
2022年7月29日 広島先行 公開
2022年11月18日 東京 公開
ドキドキしながら一度観て
あまりにも、いろんな事をいっぺんに思い出して
内容が入らず、昨日
1人、改めて鑑賞させていただきました。
振り返って
加藤雅也さんと衣装に対する思いを毎回、1時間以上の電話でやりとりしました。加藤雅也さんの衣装イメージはトレードマークのマスタードのマフラーをご自分で決められ、それに合うアイテムをプラスしていきました。役に合うコートを六本木のドンキホーテで見つけて来られる加藤さん^ ^ ドンキも場所によって、ライナップが違うので六本木ドンキに一緒に同行。スタイリスト高倉絵織里ちゃんに、コートの裏に防寒フリースを縫ったり、革ジャンの袖を延ばしてもらったりしました。何度も古着屋に行きながら、役のイメージを共有し、映画の衣装に慣れてない私に、現場では本当に細かく丁寧にアドバイスをいただきました。トップモデルでもある加藤雅也さんの着こなしや、感覚はさすが!!スタイリスト師匠加藤雅也さんです。
ストリッパーの衣装、メイクに関して
ストリッパーの世界は矢沢ようこさんのステージを観た時、芸術的で体、裸って、どう見せるかすごく大事なことや、神秘的な美しさを感じたことが一度あるくらいで、深く携わった経験はありませんでした。
あたり前ですが、映画に携わる時、自分の人生観や、感性が問われます。監督から言われるわけでもなく、俳優陣に言われるでもなく、私の中の男と女について、性について、愛について、問われている感覚にどんどん入っていきました。
そこで、見つけた恋愛に対してポンコツな自分、この作品に対して自分で大丈夫か?監督の気持ちが理解出来るか?クランクインの直前、気付いても、もう逃げれない感情でした。
クランクインしてから毎日、スタッフはみんな2 ,3時間の睡眠時間で約10日間以上過ごしていると、究極、自分を追いこむ時間もで始め、スタイリストと言い争いした真夜中の撮影。私の配慮の無さ、感覚だけで伝えた結果。そんな中でも逃げずに頑張ってくれたチームメンバーには本当に感謝しています。(半年後、笑話に変わり始めました^ ^)
ストリッパーの衣装については、ほとんど矢沢ようこさんのステージ衣装をお借りし、帽子や、小物、ヘアーアイテムを用意し、メイキャップは艶感を一番大切にし、口紅の紅、赤は約20本の中から選びました。
アルマーニ リップマエストロ400 (2020)
トップストリッパー、グロリア役の佐々木心音さんのプックリした唇、黒髪に合うリップカラーからメイクイメージを決めていきました。そこには、矢沢ようこさんのイメージも重なり、コレだ!と決めました。
加藤雅也さんが役に入る前に、いつも軽くつけられていた香水が偶然、リップカラーで悩んだ末のブランドアルマーニだったことは私の自己満足の時間でした。
大女優、筒井真理子さんの役 街の重鎮 主
今回、一番、仕込みが大変な役柄で、スレンダーな筒井さんを体格の良いジェンダーレスママに仕込み、着付けるため、何度もテストし、着物も悩みました。 バスタオルを2枚巻いても、役柄の体格には近づけない華奢な筒井真理子さん。
毎日、クラブのママの着付けを担当している渋谷友美ちゃんにチーム参加してもらいたいとお願いし、試行錯誤で身体を大きくしながら、美しい着付けをしてもらえました。襟抜きは素晴らしく、着替えも5分でしてくれたりと、本当に良い仕事を早く仕上げる渋谷ちゃんに支えられました。私の方は、ドラッグクイーン風ヘアメイクも慣れてはいないため、毎回、緊張しながら挑みました。筒井真理子さんはとても絵心のある方で、メイクラインのミリが見え、的確な指示!全く違う自分になり、役に入るためのメイキャップ細部にこだわる意味、スイッチの入れ方 、衣装、ヘアメイクの時間管理についてもアドバイスいただき、とにかく筒井さんの思いに応えられたかどうかの日々でした。
熊切あさ美ちゃんと加藤雅也さんのベッドシーンはずっと、乳首が出てないか?をチェックする時間^ ^
ストリッパー第一劇場の館長役でもあった、横山雄二監督とはテレビ番組のスタリスト、ヘアメイクでは担当させていただいた経験はありましたが、今回初めての映画の衣装、ヘアメイク担当。
館長にふさわしいスーツをご自分でオーダーされ、テーラー職人さんと打ち合わせし、場面に合う衣装管理をしていきました。撮影中、どんどん痩せて行く横山監督の体調の方が心配になりメンテナンスのプロ、藤田瑠璃ちゃんに横山監督、筒井真理子さんのメンテナンスをお願いしたりしました。
まだまだ、いろんな思い出がありますが、振り返えれば、教えていただいたことが俳優陣の方々にたくさんあり、監督の思いをクランクイン前に毎晩、とことん飲み明かして聞いとくべきだったとか、愚か者は私だ〜!!とクランクアップの時に感じた気持ちを書き留めておきます。
人間の愚かさと情熱と純粋な愛が、そのまんま真っ直ぐ沁みる作品として、美しく編集され、音楽もピッタリな今はない第一劇場作品に参加できたこと
心より感謝申し上げます。